その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
オレは言った。
「今から助けるからね……彩ちゃん」
そう言ってオレはある構えをする。
「「ッ!? あれは!?」」
(ボンゴレ初代の技 死ぬ気の零地点突破!?)
驚愕する9世と父さんを気にせずにオレは集中。
構えた場所にゴオオッ…と炎が吸い取られていく。
『グガアァーーッ!?』
獣は悲鳴を挙げながらもツナを攻撃しようとするがすり抜けていた。
暗闇の中で四肢を鎖に拘束され、身動きが出来ず、ただ視界だけがお爺ちゃんや家光たちを攻撃して、しかもツナまで攻撃してしまっていた私は泣いていた。
「もう……嫌…」
絶望に俯いていた時だった。
「彩ちゃん!!」
「ッ!?」
私は驚愕すると上を見た。
(だってさっきの声は私がこの世界で初めて好きになった人の物だった)
キランッ…、遥か彼方に一筋の光が私を照らし、そしてその光の中に人影が在った。
私は眩しいその光を目を細目ながら凝視していると人影の姿がハッキリと見える。
オレはやっと見えた彼女の姿を見て、手を伸ばしながら叫んだ。
「彩ちゃん!」
彼は私へ光の中から必死に手を伸ばしていた。
「ッ! ツナ!!」
私は涙を流しながら必死にオレへと手を伸ばすが拘束はビクともしない。
オレは言った。
「彼女を放せ!!」
その言葉と共に漏れる光が彼女を拘束していた鎖を断ち切る。
自由になった私は彼の手を握りしめた。
オレの手を握りしめた彼女に微笑みながら言う。
「フッ…迎えに来たよ……彩ちゃん」
「……っ うん!」
彼女は涙ぐみながら頷くとオレの胸に顔を埋(うず)めので優しく抱きしめる。