その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
「……オレもその一人に入ってるから」
その瞳には強い覚悟と微かだが死ぬ気の炎をを見た9世は言った。
「家光、綱吉君も共に連れて行こう」
「ッ!? 9代目!?」
家光は驚愕すると9世を見る。
オレはお爺ちゃんを見て言った。
「お爺ちゃんはオレの言葉……信じてくれるの?」
彼の問いに9世は方膝を着き、目線を合わせ、頷くと言った。
「あぁ…今は綱吉君が彩花ちゃんを見つける道標だ。どうか私たちを彼女の元まで導いておくれ」
9世の守護者たちは唖然とした。
オレは頷く。
「うん! オレがみんなを導く!」
ニカッと笑う彼の笑顔にみんなは一時の安らぎを感じた。
その一方、本部から誘われた私は手足を拘束されていた。
相棒がガンガンと逃げろと訴えるが拘束されたこの状態で逃げるのは不可能。
私を誘った男が私の腕に何か注射した。
ドクンッ…、「ッ!?」
大きな脈打ちと共に私は目を見開くと叫んだ。
「あ あああああぁーっ!?」
痛い痛い痛い体が引き裂かれるみたいに痛い!!
彼女の姿は黒髪に黒の瞳だったのが注射された薬によって素に戻っていく。
男は仲間から私の事を聞くと歓喜に震えながら言った。
『なんと!? まさか初代の血をこの娘が持っているとは…この娘を兵器とすればボンゴレなど恐れるに足らず! フハハハハ!』
男は高笑いしている。
[彩花! 今のままではそなたの肉体が保てなくなる! 力を解放…[しないわ!!]…ッ!?]
Ⅰ世の言葉に私は拒否すると言った。