その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
(オレってば何をやってんだよ!? いくら相手が彩ちゃんだからって!? キスなんてぇ〜!?)
内心で悶絶し、叫びながらジタバタしたオレはそのまま眠りに就いた。
部屋に戻った私はさっきの出来事が信じられなくて放心状態だった。
[……いやはや10世も意外とやりおるな。流石は私の子孫だ♪ 好きな子にいきなり接吻をするとはな!]
楽しげに言うⅠ世の言葉に私は赤面しながら言った。
[〜〜っ /// からかわないでジョット!!]
赤面する私を見てⅠ世は微笑みながら言った。
[ハハハハ! 良いではないか10世がお前を好いているのが現実実行で判明したのだ。喜ばしい事ではないか!
そなたの想いが実って俺は物凄く嬉しいのだ。まるで自分の娘の恋が実った様な…な]
私はハッとするとⅠ世を見上げる。
Ⅰ世は憂いを帯びた瞳で私を見ていた。
私は言う。
[……ありがとう……ジョット]
そう言ってⅠ世の胸に顔を押し付けた。
Ⅰ世は私を優しく抱きしめてくれる。
私はその温かい優しさに暫く浸っていたけど眠りに就いていた。
Ⅰ世は彼女の体をベッドに寝かせて、その頭を優しく撫でる。
(時々この子が亡き自分の娘と同じ表情をすると何故か胸が痛い程、この子がいとおしく感じる。欲張りすぎてるな……この子の運命は……この子自身が示さなければ意味がないからな)
Ⅰ世は内心でそう呟くと姿を消す。
翌朝、朝食を終えて、執務室で9世と話し、彼の力の封印をしようとしていると何やら外が騒がしく、相棒が警鐘を鳴らしていたので私は彼を見る。