その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
出逢ってから2年くらいしか経っていないけれど彼女の事だけは何故か色んな事が理解出来る。
それが出来るようになったのも彼女が懸命に自分へ教えてくれたお陰に他ならない。
内心で呟き、オレは頷く。
「分かった。大切に預かるよ。だから彩ちゃんも忘れずに受け取りに来てね」
その言葉に彼女は頷くとオレの首に下げてくれた。
「無くさないでよ」
そう言って服の内側に仕舞って、ポフッとその場所に軽く手を当てながら見上げるその瞳にオレは頷く。
「フフフ…おやすみ、ツナ」
微笑み、そう言って踵を返した彼女が何故か目の前から居なくなるような錯覚を覚えたオレは咄嗟に彼女の左手を掴んだ。
私はそれに不思議に思って振り返る。
「ッ!?」
私は目を見開く。
目の前にツナの顔がドアップでしかも唇に何かが当たってるこ この感触…こ これってまさか!? き キスーっ!?
私は内心で叫ぶ。
振り返った彼女の唇にオレは自身の唇を重ねる。
所謂キスを好きな子にした事になる。
超ー恥ずかしくて死にそうだけど彼女が消えてしまうのははっきり言って嫌だった。
だから繋ぎ止めるのにキスをしたら彼女は目を見開いている。
(突き飛ばさないのは嫌ではないってことだろうけどさ)
内心で呟き、顔を真っ赤にさせながら言った。
「/// ……おやすみ」
それが今オレが言える精一杯の言葉。
彼女も顔を真っ赤にしてる。
「……おやすみ…っ ///」
彼女はそう言って部屋を出て行った。
「……。〜〜〜っ ///」
フラフラとベッドまで歩いて、倒れ込む。