その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
相棒もそれが良いと言っているので私は首から下げられた指輪を握りしめる。
ジョットは話す。
[フィーネの力に関しては俺にも知らない事もある……彩花が自分で
決めて力を使うといい……俺は力の暴走がない様に抑えておくとしよう]
[ありがとうジョット]
私は頷くと言った。
「分かったよ…お母さん。お父さんは必ず私が助けるから」
その覚悟の瞳を見て、千鶴は彩花の姿が別人に見えた。
涙が止まった千鶴は瞬きする。
「……彩花?」
「何? お母さん」
首を傾げる娘を見て先程見えたものはなんだったのだろうかと千鶴は首を傾げながらも言った。
「無理はしないで……ちゃんと帰ってきて…ここは彩花、貴女の帰ってくる場所なのだから」
私は瞠目し、頷く。
「うん。必ず帰ってくるから」
千鶴も頷くと目を閉じた。
私は額を千鶴の額とくっ付ける。
「行ってきます……お母さん」
フワッと風が吹くと同時に千鶴は目を開けると彩花の姿はなかった。
タッタッタッ…、私は夜の森を相棒の指示通りに走る。
彼の言う通り私は指輪を握りしめながら呟く。
「フィーネリングよ。どうか1度だけその力を我に貸し与えたまえ!」
[フィーネに選ばれし者よ。汝の覚悟認めよう]
キランッ…、指輪が煌めき、光が彩花を包み込むと、中から金髪の髪を靡かせた13歳くらいの少女が現れる。
タッタッタッ…、少女は闇の中へ消えた。
尚吾は椅子に体を縛り付けられ、ボロボロ状態で俯いていた。
『約束の時間まで後、どれくらいだ?』
リーダー格の男の問いに仲間は言う。