その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
[アハハ…ジョットに褒められたとあらばお母さんは舞い上がるよ]
ジョットは訝しい表情をしながら言った。
[彩花、警戒は怠るな……嫌な予感がする]
ジョットの言葉に私は頷く。
[分かってるよ。相棒もざわめいているから早く対処したい所だけど
この様では相手のおもうつぼだし……2人には心配かけたくないから]
[ならば俺の出番だな]
何故かニヤリと笑うジョットに嫌な予感がする私だった。
事が起こったのはその数分後、家に1本の電話が掛かってきた時。
千鶴が出た後、私は相棒の胸騒ぎが強くなったのを感じた。
電話を終えた千鶴は崩れおれるとその顔は蒼白になっていたので声をかける。
「お母さん? 大丈夫?」
「ッ!」
千鶴は彩花を見ると瞳を揺らす。
私は千鶴の頬に触れながら言った。
「……お父さんに何かあったんだね?」
「ッ!?」
その言葉に千鶴は驚愕する。
私は話す。
「私は普通の人よりも鋭い勘を持ってるの……絶対に外れない予知とも
言えるかもしれないけどさっきの電話で少しお父さんの危機を感じた」
千鶴は涙を流しながら言う。
「彩花……尚吾さんを……助けて……。貴女にこんな事をお願いするなんて
親として間違っているのは分かってる。……でも相手の方は貴女との交換条件を出してるの」
[ジョット……貴方はどうこれをどう捉えますか?]
私の問いにジョットは答えた。
[罠の可能性が高いな……そなたの父親はまだ無事なのは確かだが]
私は思案する。
ジョットは言った。
[手立てはそのフィーネの力を借りるしかあるまい]