その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
彼女の様子を見てやがて意味が分かったオレは顔を赤らめながら慌てて言った。
「…/// い いや、口説きじゃなくて! オレはただ彩花ちゃんに元気になってほしかっただけなんだ!」
その言葉に私は微笑む。
「フフフ…ありがとうねツナ」
「う うん」
オレは彼女の笑顔を見て固まったけど何とか頷いた。
その後、夕食をお爺ちゃんたちと食べた私とツナはテーブルマナーと言うものを知らないので色々やらかしてはお爺ちゃんたちに笑われた。
でも笑顔がある夕食をしてもバチは当たらないよね♪
テラスに出て、月夜の空を見上げる。
綺麗に煌めく月に瞬く星たちは写真に収めても良いくらいに素敵だった。
ふわっと風が吹いて私の髪をなびかせた。
「…彩花ちゃん何を見ているんだい?」
振り返ると9世が側に居た。
私は言う。
「ダメだよお爺ちゃん。こっちへ来たら体が冷えちゃうよ?」
彩花の気遣いの言葉に9世は微笑み、その頭を撫でながら言った。
「ハハハ…大丈夫だよ。彼の力を封印は明日行うと決めたよ」
その言葉に私は顔を強張らせたが言う。
「うん。教えてくれてありがとうお爺ちゃん。その封印を自力で破った時…
ツナは忘れていたモノを思い出すでしょう」
頭を振って月を見上げながら私は言った。
「ダメだね……忘れないでほしいって……心ではこんな事を願ってはいけないのに…」
その頬を涙が伝うのを見た9世は切ない表情をした。
幼い彼女の気持ちを痛い程分かっているが今は慰めの言葉を言った所で逆効果だと分かっているので黙って聞いていた。