その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
私は彼を抱き返しながら言う。
[貴方がずっと背負っていたものを私が代替わりになれて逆に誇らしいわ。
だって今の貴方は自由だもの……私の中でだけどね]
オレは顔を上げると言った。
[辛くないの? その業は初代の後に起こった悲劇……色んな事を初代以降はやってきた。
お爺ちゃんが何とかそれを減らしたけれどボンゴレ以外にそれは根強く残ってしまっているんだ。
それを完全に摘み取るのはオレでさえ出来なかった難しい事なんだよ?]
その問いに私は答える。
[この業を背負っても綱吉やみんなが居るから辛くないよ]
オレはなんとも言えない表情をしながら言った。
[…本当に君は変わらずに居てほしい……君の魂が淀めば世界の破滅は免れない。オレたちも君の力になれる様サポートするから]
彼の言葉に私は頷く。
[うん。信じてるよ……ツナ]
そう言って微笑む彼女にオレも微笑んだ。
ふと目を覚ましたオレは自分の頭を撫でてくれていたのであろう彼女を見て瞠目した。
その頬を伝う涙を見て言った。
「彩ちゃんどうしたの? どこか痛いの?」
その呼び掛けに意識を引き戻した私はハッとして彼を見た。
起き上がったオレは彼女の頬を伝う涙を拭いながら言った。
「……泣かないで彩花ちゃん…。…彩花ちゃんは笑っている顔が一番似合うから」
「ッ!?」
彼にそんな事を言ってもらえた私は驚愕すると言った。
「ツ ツナ…そ それ…こっちだと口説いてる行為になるよ?」
「え?」
彼女の言葉にオレは瞬きした。
「……っ///」
私は恥ずかしくて俯く。