その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
内心で疑問に思いながら私は綱吉を一瞥すると言った。
「何を考えてらっしゃるのかは聞きませんが私たちの邪魔はしないでくださいね。皆さん」
[[[ッ!?]]]
初代たちは驚愕した。
私は話す。
「これはフィーネの守護者に選ばれた私たちの戦いです。混沌相手にトゥリニセッテの守護者は足手まといなんです。
キツい言葉なのは分かっていますがどうか聞き入れてくださいね。貴殿方の子孫を殺される事を私も綱吉も
望んでなんかいない。守らなきゃいけない子たちだから」
ボゥ…、すると彼女の額に澄んだ大空の炎が灯り、そして髪と瞳の色が本来の色に戻った。
[[[ッ!?]]]
驚愕する初代たちに綱吉はフッと微笑みながら言った。
[言い忘れてましたが彼女に移植され適合者となったのは初代……貴方の血です。それによって彼女の姿は貴方に似ているんですよ]
初代は愕然とした。
私は言った。
「綱吉、あんまり初代をいじめちゃダメ。貴方の怒りは分かるけれどもう過ぎた事
でもあるし、この血と力のお陰でツナを守ることが出来てるのだから文句はない」
[……彩花]
瞳を揺らす彼に私は本来の姿に成りながらその頬に触れて、言った。
「私を選び、この事を決めたのは私自身なのだから…貴方が気負いする事などありませんよ」
[君は…彩花なのかい?]
瞠目しながら問い掛ける9世に私はその手を放し、見て頷く。
「はい。異世界での私は老婆でしたから」
そう言って微笑む彼女の笑みに温かみがあって、全員の心を和ませるのに充分だった。