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その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編

第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」


「彩花ちゃんこの指輪に触れてみてくれないか?」

9世は中指に嵌まっているボンゴレリングを見せた。

触れてみてくれないかって簡単に言ってくれてるわね。まぁ…相棒は触れるだけなら大丈夫だって言ってるし…

と内心で呟きながら私は頷くとボンゴレリングに触れてみた。

「ッ!?」

私の意識はリングの中に引き込まれる。

「彩花ちゃん?」

家光は彼女を見る。

彼女の瞳は虚ろだった。

「9代目!? 彩花ちゃんが!?」

家光の慌て様に9世は言った。

「大丈夫だよ。あの方々に彼女は招かれただけだ。終われば戻ってくるよ」

「あの方々?」

首を傾げる家光に9世は彼女が触れているリングを見た。


目を開いた私は崩れ折れた状態でその空間に居た。

「え!? お爺ちゃんの部屋に居たはずなのに…」

そう呟いて私はふと後ろから数人の視線を感じて振り返る。

姿は見えないが死ぬ気の炎がそこに在る事は分かっていた私は立ち上がると言った。

「貴殿方ですか? 私をリングの中へ引き込んだのは」

そう問い掛けると返答があった。

[そう警戒しないでほしい]

[我々は9世が話す君を知りたかった]

[だからこの空間に招いた]

私はため息混じりに話す。

「ハァ〜…外の私の体は今は虚ろな状態でしょうね。後で心配かけた事を謝らなきゃ。心配性な人たちが

居る前でこんな事をやらかしてくれるんだから…お覚悟は出来てますよね? 代々のボンゴレボスの皆さま」

微笑んでいるが目が笑っていないし、殺気と怒気が痛いほど分かるボンゴレボスたちは畏縮する。

[……そう叱ってやらないでほしい彩花]
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