その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
家光は言った。
「お、目が覚めたんだな彩花ちゃん。長旅で疲れたいたみたいだが、大丈夫かい?」
家光の問いに私は頷く。
「はい。大丈夫です。ご心配とお手数おかけてしまってすみませんでした」
部外たちは彩花を見て瞠目している。
家光は言った。
「んなこと無いぜ。っと言い忘れる所だっただったが…ここは俺が
働いてる会社の本部なんだ。この格好も会社の決まりでな」
私は言った。
「となると私たちも着替えないといけませんか?」
私の問いに家光は首を振る。
「いいや大丈夫だ。後な……俺の上司が彩花ちゃんに会いたいと
言ってるんだが一緒に来てくれるか?」
「え? 家光さんの上司さんが私に?」
首を傾げる私に家光は頷いた。
オレは然り気無く彼女の服の裾を掴んだ。
無意識でやっている様だが、彼の超直感が私を行かせるなと言っているのだろう
私はその手に自分の手を重ねながら言った。
「大丈夫だよツナ…ちょっと行ってくるから待ってて」
そう言って微笑む彼女の笑顔を見て、オレは手を放した。本当は放したくないでも迷惑をかけたくないと思った。
「行ってくるねツナ…」
言いながら彼の頭を撫でた私は立ち上がると家光と共に部屋を出る。
オレは両手を握りしめながら俯く。
(オレは本当に何も出来ない。ただ彩ちゃんを見送ることしか出来ないなんて……強くならなきゃ……彼女のあの笑顔を守る為に強く!)
私は気付かなかった。
彼の表情があの綱吉の様に覚悟を決めた顔をしていたことに…
ボンゴレのボスの肖像画や色んな絵が通路の壁に飾られてある。