その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第2章 番外編②「~小さな身体で動ける秘密(前編)~」
楽しそう話す娘に2人は呆れると言った。
「大丈夫ならいいが言葉の方は大丈夫なのか?」
尚吾の問いに私は言う。
『え? 何が?』
イタリア語で問い返す娘に2人は唖然とした。
私は微笑むと言う。
『初代のお陰でまともに話せる様にはなってるよ♪』
千鶴は言った。
「凄いわね。あの方もあなたと話せて喜んでいるんじゃない?」
千鶴の問いに私は頬を掻きながら話す。
「自分の娘と話してるみたいで不思議だって言ってた。まぁ…ジョットの血が混ざってるから娘……と言うよりも子孫? あれ? どうなるんだろう? 私の場合…」
私は唸る。
尚吾と千鶴は苦笑すると言った。
「「娘でいいんじゃない?」」
その言葉に私は唖然とした。
2人がそう言うのならば良いか♪
頷くと私は微笑みながら言う。
「分かった。でもお父さん枠の取り合いにならない?」
私の問いに尚吾は苦笑すると言った。
「アハハ……お前が向こうに居る間は初代に譲るよ」
[よし!]
Ⅰ世がガッツポーズをしているのを私は苦笑いするしかなかった。
「一応手紙は書くつもりで居るから……帰る時もね」
私の言葉に2人は頷く。
部屋に戻り、荷造りを済ませて、2人宛の手紙を書いた。
私はまだ2人にどれくらい向こうに居るのかを伝えていない。
[真実を言って2人に心配をかけたくなかったのだろう?]
Ⅰ世の問いに私は苦笑いすると言った。
「アハハ…ジョットには見え見えだったよね」
鏡を見ると私の姿はⅠ世に見えているのだ。
初めはかなり驚いたが今では慣れた
Ⅰ世は言った。