その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第2章 番外編②「~小さな身体で動ける秘密(前編)~」
全員が必死で逃げて来ていた。
相手は黒のスーツにサングラスをしたどこぞのマフィアの部下だろう。
楓たちが私が居る木の下に来ると相手と対峙する。
まだ戦えないのに怯えながらも立ち向かおうとするその姿に私は少し微笑むと言った。
『大人大人数でいたいけな子供を追いかけるなんてどこぞの変態さんかしら?』
『『ッ!?』』
マフィアたちは驚愕すると辺りを見た。
ガサッ、ヒュッ…、木の上から飛んで、下に居る者たちが唖然と見上げる中、私は呟く。
「フィーネ…」
キランッ…、指輪が煌めくとその眩しさに全員が腕を翳す。
姿を変えた私はスタッと敵の中心に着地すると拳と足技に数人を叩き伏せる。
他の敵がそれに気付くと襲い掛かってくるが私は攻撃を全てなしてからの全員をのばした。
パンッパンッ…、両手を叩きながら私は息を吐く。
「ふぅ…」
「「うわっ!?」」
「ッ!?」
楓たちの悲鳴を聞いて私は振り返った。
そこには数人が楓たちを捕らえて居る。
『動くとこのガキ共を……ッ!?』
マフィアの言葉が途中で切れたのは私がそいつを叩き伏せたからだ。
『お前たち……俺の仲間に手を出したな……あの世で公開するがいい!!』
カアァッ…、私は両手に炎を纏わせると清と雷舞を捕らえていた2人を消し炭にする。
楓たちは呆然としていた。
私は一息吐くと言う。
「……危ないって理由がこれで分かった?」
私の問いに楓たちは瞬きする。
私は苦笑すると言った。
「アハハ…この姿じゃ分からないのも無理ないよね…――」