その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第2章 番外編②「~小さな身体で動ける秘密(前編)~」
私はしてやったりと微笑み、立ち上がりながら言った。
「それじゃ……私は教室に戻るね」
そう言って彩花が去ると楓たちは溜めていた息を吐く。
「「ハァ〜…」」
「まさか津知君たちの事まで気付いていたとは…ハハハ…」
苦笑いする楓に清は言った。
「彩さんならお見通しと言うことだな」
雷舞は言う。
「昼休みが終わる前に他のメンバーに伝えに行くよ〜」
雷舞の言葉に2人は頷く。
学校が終わって、一旦家に帰った私は動きやすい服に着替えて、必要最低限の物を持って家を出る。
公園内に入ると楓たちが居た。
「……みんな」
唖然とする私に楓たちは苦笑いすると言う。
「アハハ…来ちゃいました」
「何故かいてもたっても居られなくて」
「なるべく足手まといにならないように気を付ける」
「と言うより女子である彩さん一人でやらせられないしね」
「貴女が動くなら俺たちは共に動くのみ」
「貯まってた鬱憤をはらわせてもらわなきゃ♪」
楓たちの言葉に私は笑みを浮かべながら言った。
「ありがとうみんな……行こう」
楓たちは頷くと彩花の後に付いて行く。
私は木の上で楓たちを待つ。
するとⅠ世の気配がした。
[彩花……さすがに今回は私は反対だ。まだお前たちは幼すぎる]
Ⅰ世の言葉に私は言った。
[幼くなければ大丈夫でしょ? これをあんまり使いすぎちゃダメって相棒が訴えてるから……
今回で最後……そして楓たちと会うのも…]
[……彩花]
Ⅰ世の気配が薄れると同時に楓たちが来る。