その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第2章 番外編②「~小さな身体で動ける秘密(前編)~」
「傷を治すね」
「え?」
尚吾は瞬きする。
私は死ぬ気の炎を灯すと晴の力を出すのに集中。
すると尚吾の傷が全て癒えた。
「晴の炎まで使えるのか?」
尚吾の言葉に私は頷く。
「うん。でも100%での治療は専門外だから軽傷の傷しか治せないの」
尚吾は言った。
「それでもすごいさ……今度は俺だな」
尚吾は私の頭に手を置くと目を閉じる。
すると尚吾から何かの波動が流れてきて私の傷を全て癒す。
尚吾は目を開くと言った。
「どうだ?」
尚吾の問いに私は瞬きしながら言った。
「すごい……体が軽くなった」
尚吾は少し微笑む。
「まだお前には言ってなかったが、俺たちはナトューラの巫女を守っていた守護者の末裔なんだ」
「っえ!?」
私は驚愕した。
「お母さんも?」
私の問いに尚吾は首を振る。
「千鶴は違う。アイツは俺たちの所属していた場所のリーダーをやってたんだ」
末裔ってマジで!? と言うかナトューラの力って気を放つんだ。……死ぬ気の炎とはまた別の力みたいだけど……あぁ…相棒が自分もその力が備わってるって言ってるけどってマジで!? 私をどんだけチートにさせるのよ!? もう自分の力が怖くなってきたわね(汗)
私は内心で一人ノリツッコミを済ませると言った。
「私も使えるかな?」
私の問いに尚吾は答える。
「この力はなちょっとくせ者なんだ。慣れれば自在に使えるが…今はまだ使えないだろう……まだその兆候も無いしな」
「兆候?」
尚吾は苦笑いする。