その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第2章 番外編②「~小さな身体で動ける秘密(前編)~」
ん? 何で死ぬ気の炎を使ってるのかって? 今の私はまだ軸が未発達だからね。しかも相手が中高生ともなると使う力をフルにしないと倒せないのよねぇ〜…マジで辛いわ。まぁ…もっと大きくなれば使う炎を抑えていって炎無しでも倒せなきゃ意味が無いからね♪ それよりもさ弱いのに群れて自分より劣る者を数人で暴力を振るおうなんて不届き千万で噛み殺すよ♪ あ、雲雀さんの口調になっちゃった。でも額の傷は深傷にならなくて本当に良かった
内心で愚痴りながら兄妹の仲睦まじい様子を一瞥して帰ろうとしたら了平に呼び止められて、フード越しに了平たちを見ると2人が礼を言ってきたので私はそれに一瞬唖然としたが少し微笑むと言った。
「礼なんていい……ただの気まぐれだから」
そう言って駆け出した私は茂みに隠してた物を回収して、手袋をランドセルに終い、フードを脱ぐと一息吐いた。
途中から恐らく木の影に紛れて楓たちが観ていただろうけど知らない振りしてさっさと家に帰った。
「お父さん」
「ん? どうした」
彩花の呼び掛けには首を傾げる尚吾。
私は言った。
「暫くやってなかった稽古をお願いしたいんだけど…」
尚吾は微笑むと言う。
「あぁ…良いぞ♪」
千鶴は言った。
「夕飯までちょっと時間があるけど程ほどに」
「「は〜い」」
返事して私は尚吾とある部屋の前に来る。
なんの変てつも無いドアだけど何か違和感がある
私が首を傾げると尚吾は言った。
「この家を見つけた時にちょっといじったんだ。見た目は狭く見えるこの部屋だが…」
ガチャッと尚吾はドアを開ける。