その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
私は綱吉の頭を撫でる。
綱吉は瞬きをした。
私は目を閉じて以前の老婆に姿を変えると綱吉は唖然とする。
私は優しく微笑みながら言った。
「お疲れ様……よく頑張ったわね綱吉」
「ッ!?」
綱吉は目を見開くと眦から涙が溢れた。
私は言った。
「今はこの場所にはおばちゃんしか居ないから沢山溜め込んだモノを吐き出しなさい」
[……っ うぅっ…]
綱吉は泣いた。
これでもかと言うかの様にわんわん泣く綱吉の頭と背中を私は優しく撫でる。
泣いて落ち着いた綱吉は言った。
[ありがとう……彩花。今の君だと本当のおばちゃんを相手にしてる感じだよ]
私は話す。
「精神年齢だとおばちゃんよ……記憶はもう朧気になってきてるけど」
綱吉は言う。
[向こうでの記憶が消えるのは嫌だった?]
その問いに私は答える。
「貴方の手を取った時点でこうなる事は予想していたから大丈夫よ。それに古い記憶がなくなるって
事は楽しい思い出が沢山出来てる証拠でもあるから」
綱吉は瞠目すると言った。
[やっぱり君を選んで良かった]
「綱吉?」
私は綱吉を見る。
姿が段々と透けていた。
綱吉は話す。
[君の魂と同化しているからね。いつまでも俺が表に出る事は出来ないから内側で君を守るよ……
だからこの世界の俺やファミリーの事を…「死ぬ気で守るに決まってるでしょ?」 ッ!?]
綱吉は驚愕しながら彩花を見た。
私は微笑むと言った。