その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
綱吉は頷くと言った。
[奴等は俺達を玩具の様に弄(もとあそ)び……仲間を一人また一人と存在事消していった]
「存在事!?」
私は驚愕する。
隼人や武達が次々と消されていく。
綱吉は言った。
[俺は勝てるとは思えず絶望に沈んでいった時だった。
『諦めないで!!』
って声が聞こえたんだ]
「声?」
すると厚い雲に覆われた空から一筋の光が綱吉を照らし出し、その集団を弾き飛ばす。
生き長らえた雲雀たちは唖然と綱吉を見て居た。
綱吉の前には蒼白く煌めく女性が居る。
「あ 貴女は?」
彼女は微笑むと言う。
『私はずっと貴方たちを見守っていた者』
そう言って雲雀たちを見る。
全員がボロボロで満身創痍だった。
彼女は切なそうな表情すると話す。
『あなた達が失った仲間たちは私の側に居るわ。さぁ…戻りなさい。あなた達が帰る場所へ…』
彼女が手を翳すと綱吉の側にさっき消されたはずの隼人と武が唖然とした顔でそこに居た。
「極寺くん! 山本!」
驚く綱吉に2人は何とも言えない表情をしたが言う。
「ただいま戻りました10代目」
と頭を下げる隼人。
「ただいまツナ」
ニカッと笑いながら言う武に綱吉は涙ぐみながら言った。
「よかった……2人とも…」
そえ言って微笑む綱吉に2人は心配かけてごめんと謝ると首を振る。
敵側のボスは言う。
「バカな消した奴等が甦っただと!? 貴様は! 己が何をやっているのか分かっているのか!?」
焦りを感じるその問いに彼女は敵側を見て言った。
『もうこれ以上彼らを傷付けさせない!』