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【鬼滅の刃】私の師範が派手すぎる

第2章 おつかい





「ごめんくださーい!鈴宮舞千ですー!!」


蝶屋敷にたどり着き、正面玄関の戸を開けて声をかけた。
いくら馴染みの胡蝶さんの屋敷だとしても、勝手にあがってしまうのはいけない気がするから、念の為だ。

花を逆さにしたような可愛らしい照明と、高価そうな美しい壺が飾られた広い玄関を見て、とても女性らしさのある屋敷だなと改めて認識する。
私の師範は派手好きだけど、どちらかというと宝石や煌びやかな物が好きだから……こういう上品なものはなんだか新鮮だ。


「はーいっ」


大きな声で叫んだおかげで、私の声が届いたのだろう。かなり遠くから女の子の返事が聞こえてきた。
駆けてくるような足音も近づいてきている。

この蝶屋敷はとても広いから、来るまで暇つぶしに…と外を振り返れば、鮮やかな紫陽花が満開に咲いていた。
水やりは済んでいるらしく、太陽に照らされた花や葉がきらきらと輝いている。
枯れた花も見当たらないし、手を抜かずしっかり手入れしているのだろう。

お庭に紫陽花が咲いているのって素敵だなぁ。
うちにはツツジや椿はあるけど紫陽花はないし……師範に植えてもいいか聞いてみようかな。
まあ許可をもらったとしても、花咲く紫陽花を見られるのは来年からになりそうだけど。

なんて考えていると、すぐそばで足音が聞こえた。
誰か来たみたいだ。


「すみません、お待たせしましたぁっ」
「なほちゃん!こんにちは〜」
「舞千さん!!」


息を切らしながらお迎えに来てくれたのは、おさげ髪の女の子、なほちゃんだ。
私の姿を可愛らしい目にとらえると、キャッキャと飛び跳ねて抱きついてきたので、手に持っていた袋を落とさないように抱きとめた。


「最近お会いできなくてさびしかったです〜っ」
「ごめんね?任務もあったし、暇があれば稽古してたから」


美味しいお菓子持ってきたから許して?と、なほちゃんを抱きしめたまま持っていた袋を掲げてみせれば、パアッとなほちゃんの笑顔が輝いた。


「とっても美味しいから、楽しみにしててね?」
「わあっありがとうございます!」


あとで厨を借りて、切り分けてあげよう。
その前に用事を済ませなくちゃ。


「胡蝶さんいるかな?用事があって来たんだけど」
「しのぶ様なら書斎にいらっしゃいますよ!」
「わかった、ありがとう!」


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