第7章 あめのひ
1週間ぶりくらいに凛は日課のランニングをこなせることができた。
走りながら空を見上げた。星が見えなければ月も見えない。
つまりは曇天。
朝はすこしだけ晴れ間が見えてたのにな、と思いながら空を眺める。
そして先週の流星群の夜を少しだけ思い起こした。
(そういや1週間あいつの顔、みてねぇな)
どうしてだろう、この1週間やたら長く感じた。
前回会ったときのなにげない会話の続きが気になる。
そう思っていた矢先。
目の前の少し先に、白と黒の服に身を包んだ背の低い少女が樺色の髪を揺らしながら歩いていた。
顔は見えないのに今考えていた彼女だと確信した。
普通に走っていても十分に追いつける速さであったのに、彼女の後姿を見つけると凛は無意識に足を速めた。
だんだんと距離が詰まってくる。
あと10メートル。
5メートル。
3メートル。
追いついた。
と同時に彼女は振り向いた。