第4章 変わりゆく関係、別れ
だがそばにいると、違和感なく馴染んでくるから不思議だ。
きっと俺だけでなく、誰に対してもそうなのだろうとリヴァイは思った。
しばらくの間そうして触れていると、リヴァイは不意に、何者かの視線を感じた。
そっと辺りに視線を忍ばせると、たまたまそこを通りかかったのであろうアーヴィンが、硬い表情でこちらを見つめていることに気がついた。
アーヴィンとリヴァイの視線がかちりと重なる。
何か言いたげな表情をしていたアーヴィンであるが、リヴァイの視線に跳ね返されるようにして、顔を背けた。
そのまま、その場から立ち去っていく。
「…邪魔をして悪かったな。もう、行け」
二人の無言のやりとりになど全く気がつかなかったらしいザラに声をかけると、ザラは素直に頷いて、小さく会釈をすると訓練場の方へと戻っていった。
しばらくの間、リヴァイはその場に立ち尽くしたまま、去っていくザラの後ろ姿を見つめつつ、様々な感情の入り混じった目でこちらを見つめて来たアーヴィンのことを思い出していた。
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