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【リヴァイ】君がため

第7章 歴史の動く時



『リヴァイさん最初怖かったわよね、私のこと、邪険にラドフォードなんて呼んじゃって』

「目の敵にしてたからな、最初は」

『どうして新兵相手にそういうことするの!』

「お前が俺を噴水になんぞに落とさなかったら、邪険に接することもなかったんだがな」


言われて、ザラは思わず笑ってしまった。

そもそもの事の発端として、ザラがリヴァイを噴水に向かって突き落としたことが始まりだった。

最初は誤解を解くのに苦労したものだとザラはふと当時の気持ちを思い出した。


『…でも、あの時私が人生最大級のドジ踏んどいてよかったでしょ、こうして出会えたんだもの』


ザラが微笑むのにつられるようにして、リヴァイも薄く笑う。

そのまま椅子の向きを変えてザラに向かって両腕を広げると、ザラは立ち上がり、リヴァイの上に跨るようにしてすり寄った。


どちらからともなく口付けを交わす。

二人の間にこういった時特有の、心地よい重たさを含んだ空気が漂った。


「…ザラ」


合わせていた唇を離すと、熱っぽい眼差しで見つめてくるリヴァイの顔がすぐ近くにあった。

こうしてリヴァイに求められると、堪らなく胸が苦しくなった。


そのままリヴァイに抱き上げられ、ベッドの上に降ろされる。

リヴァイが上に覆いかぶさってきたところで、ザラが小さく、

『リヴァイさん、でも今日、ペトラのとこで寝るって私言ってきちゃった』

と言った。


「おい、俺はこのまま、生殺しか?」


そう言いながらも手を止めるつもりはないらしく、ザラのシャツのボタンに手をかける。


「何日お預けくらってると思ってんだ、もう俺は、止められねえぞ」


あらわになった白い首筋へ吸い付かれ、ザラは背筋がぞわりと波立つのを感じた。


熱に浮かされた頭の片隅で、ペトラには明日謝ろうなどとぼんやり思う。


「ザラ」


呼ばれ、目が合う。



「…ザラ」



遠くから快楽の波が押し寄せてくる。
体が疼いて堪らない。


任務中に不謹慎かとも躊躇われたが、欲情した恋人を前にそんな思いもあっさりと折れる。


ザラは静かに目を閉じると、熱情のままにリヴァイと体を重ねたのだった。


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