第5章 願いはただひとつだけ
「いただきます!ん、美味しいです!」
テーブルにところ狭しと並べられた料理たち。
どれを口に入れても美味しい。
自宅で食べているはずなのに高級なレストランでディナーをしているような気分になってしまうほど美味しかった。
リヴァイはいったいどこでデリバリーを頼んだのだろうか。
予約が殺到しそうな人気店といっても過言ではないくらいの味だが、リヴァイはわざわざ調べて予約を入れてくれたのだろうか。
「…」
「!!」
目の前に並べられた料理の味につい夢中になってしまい、は肝心なことを一瞬忘れてしまっていたようだ。
リヴァイから名を呼ばれてハッと我に返る。
自身の名をリヴァイが呼んだということは何か話そうとしているのだろう。
しかし、にもリヴァイに伝えたいこと、話したいことがあったのだ。
ここはまずリヴァイの話を聞くべきだろうか…
それとも自分の話を割り込ませてもいいのだろうか…
は持っていたナイフとフォークを皿に両端に置いてリヴァイの方を見るが、話したい言葉が喉元で渋滞してしまいなかなか思うように話し出すことができなかった。
すると、先に話し始めのはリヴァイだった。
「なぁ、クリスマスって知ってるか?」
「え…?!」
「クリスマスだ…いい子にしてたらサンタクロースがプレゼントを持ってきてくれるらしいぞ?」
「リ…リヴァ…イ…さん…?!」
リヴァイの言葉にドクンと心臓が跳ねて、ドキドキと心拍数が加速する。
まさか…まさかとは思うが…
目を見開いてうまく返事ができずにいるにリヴァイは話を続けた。