第5章 願いはただひとつだけ
「、夕飯の準備は必要ない」
「え…?ですが…」
夕飯の準備は不要と言われたが、どこかに食べに行くのだろうか?
世間的には今日はクリスマスという大イベント、どこへ行っても混んでそうだが…
何か予約でも入れていたのだろうか。
「今日の夕飯はデリバリーを頼んだから準備は不要だ。もうまもなく届くだろう」
「デリバリーですか?わかりました…では、テーブル簡単に片付けますね」
リヴァイがデリバリーを頼んでいたなどまったく知らなかっただが、今思えば車の中でスマートフォンの通知を確認していたのは、注文していた商品の配達通知だったのだろう。
あまりクリスマスのイベントに乗っかるようなタイプではないと思っていただけに、は少し驚いた。
思いがけず夕飯の準備がなくなったため、手持ち無沙汰になってしまったはたいして散らかってもいないテーブルを片付けて拭いていく。
すると…
―ピンポーン―
「あ、到着したのでしょうか?」
タイミングよくインターホンが鳴った。
「わぁ…!すごいですね!こんな豪華なお料理!」
ピザ、サラダ、ローストビーフ、チキンにポテトフライ、小さめのクリスマスホールケーキ
次々に配達される料理を皿に移してテーブルに並べていったらあっという間に豪華なクリスマスディナーのできあがりだ。
「せっかくのクリスマスだからな、注文してみた。思ったよりも豪華だな」
「お仕事お忙しかったのに…予約も大変でしたよね?ありがとうございます!」
「いや、この所忙しくて食事も質素だったからな。丁度いいだろう。、そろったことだし冷めないうちに食っちまおう」
「は、はい!」
リヴァイは料理と一緒に届いたシャンパンの栓をあけると、食器棚から出した細長いグラスに注ぎの前に置いてやった。