第5章 願いはただひとつだけ
何かプレゼントをあげることができれば、それをきっかけに2人の関係をはっきりさせることができるかもしれない。
きっかけ作りにしてはまことによいチャンスではあるのだが、ここでもまた問題が発生していた。
そう、は四六時中リヴァイと一緒のため、買い物に出ることができないのだ。
束縛癖に暴力的な元恋人の存在がある以上1人にはさせられないと、の側には必ずリヴァイかエルヴィンがいる。
リヴァイがオフィスを出る用事での側から離れることはあるが、たからといって事情を知ってるエルヴィンがを1人で買い物に行かせる許可を出すわけがない。
インターネットの通信販売で選ぼうにも、自宅のインターホンは必ずリヴァイが出る。自分のものとして受け取ればいいのだが、なんとなくきまずい。
は八方塞がりであった。
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そんなこんなで何もよい解決案が浮かばぬまま12月25日を迎えてしまった。
「はぁ……」
結局何も用意することができぬままリヴァイの誕生日を迎えてしまった。
ベッドに腰掛けたままは重苦しいため息をついてしまった。
しかし、今自分の置かれている状況を考えると仕方ないと言える部分もある。
今は不用意に1人で出歩くべきではないのだ。
幸い、リヴァイ達の仕事もピークを越えたようで、今日から年末の休みはまではそこまで忙しくないと言っていた。
夜家で食事をする時に、心を込めてお祝いの言葉を贈ろう。
何も用意できなかった詫びも入れて、年末年始の休みで何かできないか提案してみるのもいいかもしれない。
こんなことしか思い浮かばなかったが、まったく何もできないわけではないのだ。
は気持ちを切り替えてベッドからでると、オフィスに行く支度を始めた。