第5章 願いはただひとつだけ
倒れた翌日には、すっかり体調も回復したがリヴァイのいいつけを守りは1日ベッドの中でおとなしくしていた。
その後も年末の休みに向けてリヴァイとエルヴィンの仕事が忙しくバタバタとした日々を過ごしていたが、正直な所、の心は2つのことでモヤモヤとしていた。
1つはリヴァイとの関係だ。101回目の転生でようやく前世の記憶を取り戻してくれたリヴァイ。
そんなリヴァイと今ひとつ屋根の下で生活をしているのだが、互いの関係をはっきりと言葉にはしていない。
というかできていないのだ。
病院のベッドで点滴を受けている時に、前世からの記憶を全て共有することはできたが、現世でも恋人としてリヴァイの側にいてもいいのかまでは確認できなかった。
リヴァイもリヴァイで何かを言いかけていたが、医師の問診が入り中断となってしまい、結局聞けずじまいだった。
リヴァイと再会してから今にいたるまで、リヴァイから女性関係について語られた事はない。だからといって心に想う人や、付き合っている相手がいないと断言はできない。リヴァイの口から聞くまでは、わからないのだ。
はリヴァイから無理は禁止と忠告が入ったせいもあるが、仕事を詰め込みすぎずセーブしていたため、彼らとは正反対にそこまで忙しくはなかった。そのためあれこれと考え込んでしまい、モヤモヤはどんどん大きくなるばかりだ。
今はかえってあれこれ考えられない程度に忙しい方がありがたかったと思ってしまう。
それと、もう1つ。
まもなくリヴァイの誕生日だ。
リヴァイの女性関係に関してはまだ不明瞭ではっきりとしないが、誕生日だけは確かだ。
リヴァイと知り合うことのできた人生では、必ず誕生日は12月25日だった。
今回はまだリヴァイの口から聞いていないが、間違いはないだろう。