第4章 記憶と真実
「既視感…ですか…?」
「あぁ…あの雨の日、初めて会ったはずのを見て、俺はどこかで会ったことがあるような変な感じがしたんだ。それに四月一日という珍しい苗字の日付け…から香る独特の香り…」
「………」
「全てを思い出して繋がった。どこかで会ったことがあるような感覚がしたのは…前世で人間の姿になったを抱く夢をみたからなんだ…四月一日という日付に違和感を覚えたのはお前の命日だったからだ…独特の香りが気になったのは、俺が好きだったお前の粉の香りだったからだ…」
「リヴァイさん…本当に…本当に思い出してくれたんですね…ずっと…ずっと…こんな日が来てくれることを願ってました…何度も何度も願ってました…」
感極まり両手で顔を覆いながら泣きじゃくるにリヴァイは1つ疑問が浮かんだ。
「は、いつから前世の記憶があったんだ?今の俺みたいに突然思い出したのか…?」
ここまでの会話や反応から、は自身より先に前世のことを知っていたと想像できる。
それはいったいいつからだったのか。
リヴァイは愛していたが自身と出会えることを願ってずっと孤独と戦っていたのかと思うと、聞かずにはいられなかった。
どうか、そんなに長い期間ではなかったと言ってほしい。の反応を見る限り、その可能性は限りなくゼロに近いが、そう思わずにはいられなかった。
「私は…わたし…は…」
顔を覆っていた両手をゆっくりおろすと、は震えた声で答えた。
「前世の記憶は、生まれた時からありました。でも、リヴァイさんと出会えないまま生涯を終えることもありました…出会えても、リヴァイさんが別の女性と結ばれる人生もありました…」
「……どういうことだ…?」
返ってきた返答は、リヴァイが想像していたものとはまったく違い眉間にしわをよせて言葉を詰まらせてしまう。
が何を言っているのかわからない…
これはいったいどういう状況だ…
リヴァイの頭は軽くパニック状態だった。