第4章 記憶と真実
「そうか……俺は前世で鳥だったお前と暮らしていたんだ…ずっと一緒だった。お前は約束通り俺がじじぃになるまで側にいてくれた…確か…確か死んだのは…4月1日だった…」
を自宅マンションのコンビニで見かけた時無性に気になったのは、前世で人の姿になったを抱く夢を見ていたから。
から香る不思議な香りは、オカメインコ特有の粉の匂い。
エルヴィンがのことを貴婦人と呼んだのが気に障ったのは、前世でそう呼んでいたから。
四月一日という珍しい苗字にひっかかったのは…それは愛していたが死んだ日だったからだった。
「どうして…どうして今まで気づかなかったんだ…」
前世での記憶が全て蘇ると、銀色にチカチカしていた不快な背景が、徐々に病院の景色へと戻っていく。
老人のようだった手も、みるみると元通り。
「…」
深くため息をつきながらの手を握ると、の目元が動いた。
「?!大丈夫か?!」
「リヴァイ…さん…?ここ…病院ですか?」
リヴァイの声に応えるよう目が開くと、はまだ少し怠そうにリヴァイを呼んだ。
「体調はどうだ?高熱がでて気を失っていたんだ…今朝から無理をしていたんだろう?」
「す、すみません…少し怠いですが…日中よりだいぶ楽になった感じがします。点滴のおかげでしょうか…」
「幸いインフルエンザのような感染症ではなかった。明日は1日ゆっくり休めよ」
「…ありがとう…ございます…」
「それと…ずっと大事なことを忘れていてすまなかった。俺は…今…全てを思い出した…」
「え……?!」
予想もしていなかったリヴァイの言葉に心臓がドクンと高鳴る。
自分が気を失っている間に何が起こったのだ。