第4章 記憶と真実
「四月一日さんのお連れの方ですね?いくつかおうかがいしてもよろしいでしょうか?」
「あぁ…大丈夫だ…」
看護師からはの今日1日の様子について聞かれたため、リヴァイは昨日までは元気だったこと、今朝から様子がおかしかったことなど知る限りのことを全て話した。
「…そうですか…特に持病などもないのですね。風邪のような症状ですが、熱が高いのと季節柄流行の感染症もあるのでいくつか検査をすると思われます。全て陰性の場合でも念の為意識が戻るまで待って、先生に診察してもらってからご帰宅の方が安心です。お連れ様はその間院内でお待ちいただけますか?」
「構わない」
「では検査結果が出ましたらまたお呼びしますので、こちらでかけてお待ち下さい」
「了解だ…」
リヴァイは検査結果が出るまでこれからのことをアレコレと考え始めた。
感染症の検査が全て陰性であれば明日1日ゆっくり休ませればある程度回復はするだろう。
明後日もまだ体調がいまいちなら自宅でリモートワークに変更だ。
問題はインフルエンザのような流行りの感染症だった場合。まずオフィスには行かないほうがいいだろう。
師走の繁忙期だ、エルヴィンにまで移してしまっては大変だ。
リヴァイはスマートフォンのスケジュール管理アプリをひらくと、今月アポイントの入っているクライアント全てを一覧にして、リスケジュールの計画を立て始めた。
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程なくして再度呼ばれたリヴァイ。
検査結果は全て陰性だった。
「検査は全て陰性でした。熱が高くて辛そうだったので解熱剤の入った点滴をしています。四月一日さんの点滴が終了して目が覚めたら、先生に検査結果と処方されるお薬の説明をしてもらってからお帰り下さい。お連れ様はベッドの近くまでどうぞ」
看護師は説明を終えると、付添い人用の丸椅子をベッドサイドに置いて去って行った。