第4章 記憶と真実
「?!おい!…?!」
リヴァイが名前を呼んで肩を揺するが目を閉じてぐったりしていて返事がない。
眉間にシワを寄せて、額からはじっとりと汗をかいている。
顔色も真っ青だ。
「………?!」
呼びかけに応答しないの首元に触れると、焼けるように熱い。
「高熱だ……クソッ!!」
やはりは今朝から体調が悪かった。
あの時無理にでも休ませておけばと盛大に舌打ちをするが、ここで悔やんでもどうにもならない。
とにかく早く病院に連れて行かなければ。
リヴァイはスマートフォンを取りだすと、今からでも受診可能な病院を急いで検索し始めた。
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「すまないが急いで診察を頼みたい!高熱で意識がない…」
リヴァイはを横抱きに抱えてとある病院の救急外来窓口に飛び込むと、真っ青で意識のない様子を見て緊急度が高いと判断した事務員が内線で看護師を呼んだ。
程なくして奥の処置室からストレッチャーを押してきた看護師からを寝かせるよう促されると、そのまま診察室へと連れて行かれた。
「実は、彼女は事情のある同居人なんだ…詳しくはこれを見てくれ…」
診察の様子が気になったが、まずは受付での事情を説明しなくてはならない。
は婚姻関係はもちろん、事実婚という関係でもない。
年齢も離れている。お互いの関係を不審がられたら大変だ。
リヴァイは役所から発行された書類を受付に出すと、事務員は全てに目を通しコクリと頷いた。
「ご事情承知致しました。こちらの書類で全て確認できましたので、診察と処置が終わりましたら他の方と同じように通常のお支払いをお願いします。」
「了解だ…」
返された書類を受け取ると、リヴァイはが運ばれた処置室のすぐ近くにあるベンチに腰掛けた。すると受付が終わるのを待っていたかのように看護師に話しかけられる。