第2章 冬の雨
「あ、ありがとうございました…今連絡した所で最後です。」
「そうか…そしたらもう休め。寝室のシーツにカバーは変えてある。」
全ての緊急連絡が済みからスマートフォンを受け取ると、リヴァイは寝室まで案内をするためソファから立ち上がった。
「……ここだ。」
電気をつけて中に入るとリヴァイはベッドのサイドテーブルに置いてあるパソコンを起動させ、の方を振り返る。
「寝る前にできるならこれを使って必要な物を買っておけ。服とか下着とか…コンビニでは揃えられなかった物が沢山あるだろう?住所もカード番号も入れてあるからどのサイトでも買えるはずだ。今注文すればきっと明日の夜には届くだろう。」
「リヴァイさん……」
「じゃあな…俺はリビングにいるから何かあったら……」
「どうして……?!」
リヴァイが全てを言い終わる前にの言葉によって遮られてしまった。
「!?」
「どうして?…どうしてリヴァイさん…私と貴方はさっき会ったばかりです。なのにどうして?どうしてこんなに親切にして下さるんですか…?私は……貴方は……」
自然と目に涙があふれる。
心からの叫びを必死に訴えたが、はグッと堪えブレーキをかけると、それ以上は聞く事をしなかった。
一方リヴァイは真っ直ぐに見つめて訴えくるを見て思った。
確かにの言い分ももっともだろう。
性別関係なく見ず知らずの人間を家に上げ、助けるなど、普通に考えるならこんなのはドラマの中の世界だ。
しかし、これは現実。
リヴァイもの問に答えようと懸命に頭をひねるが出てきた答えはなんともシンプルなものだった。
「……なんとなくだ…なんとなくコンビニの軒下で突っ立っていたお前の姿が気になって…一度はマンションのエントランスまで行ったが引き返してきたんだ。言っとくが誤解をするなよ。俺がこんな事をしたのは初めてだ。俺は誰かれ構わず家に上げる人間ではない。そこん所勘違いするなよ。」
ーなんとなくだー
その言葉を聞いたは、その言葉の意味を自分にとって都合の良い解釈をしてしまいそうになり慌ててかぶりを振った。