第2章 冬の雨
リヴァイ自身、日本に来るため必死に日本語を勉強した。
英語は学生の頃から勉強していたが、それだって英語圏の国へ旅行に行ったりしながらなんとか習得したのだ。
日本語に関しては住んでいるため大分慣れたものの、時折分からない言葉を言われる事もある。
30をとうに過ぎたリヴァイがそうなのだ。
どう見たって20代前半にしか見えないがどうやったらそんなにたくさんの語学を習得できるのか。
バイリンガル?
トリリンガル?
が操る言葉はそれ以上だった。
何故そんな語学に興味があったのか聞いてみたかったが、今はそんな世間話をしている場合ではない。
これからの事を考えなければ。
「…事情は分かった。ひとまず緊急で連絡を入れなくてはならない所はないって事で大丈夫か?」
「は、はい…」
「そしたら…これからの事だ。明日は朝いちで役所にいくぞ、そしたら警察に行って被害届け。最後に新しい携帯の契約だ。忙しいぞ。」
「え?役所?警察…ですか?」
「あぁ…お前の命を守るためだ。まぁ、お前が付き合ってた男だからな…あまり悪くは言いたくないが…いいか、これはDVだ。だが俺の周りに被害にあった様な知人がいないから専門的な事が分からない。まずは専門家に相談だ。大抵そういう部署は役所に入ってるだろう。…あとは、その…お前の身体についた痣だ。」
「あっ……」
「さっきは確認もせず扉をあけてすまなかったな…だが、ちゃんとした届けを出しておけばいざとなった時警察も動きやすい。まぁその前に先に医者に行って診断書を持ってこいとか言われるかもしれないがな…」
「は、はい…」
自分自身が考えていた以上にリヴァイは今の状況を理解している様ではただただ驚くばかりだった。
「そしたらホラ、コレを使ってクレジットカードやキャッシュカード、持っていた携帯も全て止めてもらえ。楽観視はできないが、まだ今日の今日なら悪用はされていないだろう。」
そう言ってリヴァイは自分が持っていたスマートフォンをに手渡した。