第13章 返事
気遣われると切なくて胸が苦しくなっていく。この言い様のない気持ちはどうしたらいいのだろう。
不二と別れ、帰路についた萌は胸中の苦々しさと戦っていた。しかしふと最後の彼の言葉を思い返す。
「気持ちは簡単には消えないけど、同じ部員として夢野のことを応援するよ」
どんな時でも自分より相手のことを優先し、思いやる彼のいたわりの心に触れ、逆に救われた気分になってしまっていた。
先輩は応援する、と言っていた。あたしに上を向かせて、前に進ませてくれたんだと思う。くよくよせず、迷わず前を向いていかなければ。
帰り道を歩きながら萌は固く決心した。
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