第20章 関東大会
「う…嬉しいにゃー!俺、ホントに最高に嬉しい!」
「わっ」
次の瞬間には言葉通りの感情全開の笑顔で、菊丸は両腕を回して抱き着いてきた。唐突な動作に萌が小さく声を上げると、彼ははっとして体を離す。
「あっ、ご…ごめん」
照れくさそうに笑う彼に萌も笑顔を返した。
彼のことがいとおしくて、もっと知りたくて、何ひとつ見逃したくなくて、くるくると忙しく表情を変える菊丸を見て思った。
「帰ろっか。一緒に」
「はい!」
大会が終わって、何もかもなくなってしまったらと、不安がっていた自分がいた。
でももう大丈夫。菊丸先輩と前に進んで行ける。
色々あったけど、ここまで来られたのは菊丸先輩の、そして青学のみんなのお陰だ。
これからもずっとみんなへの感謝を忘れず、大好きなテニスを頑張ろうと強く心に誓った。
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終わり
ありがとうございました!