第3章 不二とのダブルス
静かにそう言うと不二は萌の肩を軽く揺らした。
「僕がついてる。キミを今よりも強くしてみせるよ、僕を信じて」
真っ直ぐに真剣な目を向けられドキドキと胸が鳴った。
「今日はもう体が重たいだろう?あがって明日に備えたほうがいい。…ね?」
「……はい…」
彼に諭されて不思議と高ぶっていた気持ちが落ち着いてきた。何だか急に自分が恥ずかしくなる萌。俯こうとすると、不二に顎を軽く掴まれて顔をくいと上に向けさせられてしまう。驚いて言葉を無くした萌の頬に不二の指が触れ、汚れをぬぐう仕草をした。
「顔を洗って着替えておいで。一緒に帰ろう」
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