第15章 幕間その弐
夜が更け、汐は布団の中で考えた。鱗滝に聞いたことが、どうも引っかかっていた。
(おやっさんは守るものの為に鬼殺隊を止めた。しかも、柱っていう一番上の地位までも捨てて。じゃあ、あたしを海で拾ったときは、おやっさんはすでに鬼殺隊を止めていたってこと?)
鱗滝に聞いて謎が解けると思ったのだが、それは新たな謎を増やしたに過ぎなかった。
けれど、同時に彼が今と全く変わっていなかったことに、驚きとうれしさ。そして呆れを感じた。
「まったく、昔っから人に迷惑かけてたんじゃない。何が仲間は大切にしろ、よ」
でも。おやっさんに出会わなかったらきっと今の自分はいなかっただろう。そして、新しい仲間達と出会うこともなかっただろう。
(おやっさん。看てる?あたし・・・)
仲間が、出来たよ・・・
心の中でそう呟きながら、汐は眠りにつくのだった。