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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第113章 幕間その陸:故郷へ(後編)


「とはいえ、錆びついたままじゃ何だか見栄えが悪いわ。何とかして綺麗にできないかな?」

「ここまで錆びつていると、普通に研いでも難しいわね。きちんとした場所で研ぐことができればいいんだけど・・・」

汐は困ったように首をひねると、突然、甘露寺が何かを思いついたように言った。

「そうだわ!もしかしたら、あそこなら研いでもらえるかもしれない」
「あそこ?」

甘露寺の言葉に、汐は怪訝な顔で首をひねりながら訪ねた。

「しおちゃんは【刀鍛冶の里】って知ってる?」
「刀鍛冶の里?」

汐は聞き慣れない言葉にオウム返しで返すと、甘露寺は汐の日輪刀を見ながら言った。

「私達の日輪刀は、専属の刀鍛冶さんが打ってくれているのは知ってるわね?その人たちが住んでいる里があるの。でも、その場所は隠されているから、そこへ行くにはお館様の許可が必要なんだけれど、そこへ行けばその懐剣を研いでくれるかもしれないわ」

「そ、そうか。あ、でも。お館様の許可がないといけないような場所にいる連中が、ただの懐剣を研いでくれるとは思わないけど・・・」

「そうかもしれない。でも、そうじゃないかもしれないわ。それに、昨日の戦いでしおちゃんの刀、少し刃こぼれしてたでしょ?」

甘露寺の言葉に、汐は昨日の鬼との戦いで刀が刃こぼれしたことを思い出したが、それと同時に、以前に刀を折って専属の鉄火場が大泣きしたことも思い出してしまい、顔を歪ませた。

「それと、私の刀もそろそろ手入れをしようかと考えていたところだったの。だから、私がお館様に、しおちゃんも刀鍛冶の里に行ってもいいか申請するから、一度行ってみましょう。あそこには温泉もあるから、疲れをいやすのにも最適な場所よ!」

甘露寺はウキウキしながらそう言い放ち、汐は正直甘露寺はその温泉が目当てなのではないかと思ったが、面倒なことになりそうなため黙っておくことにした。
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