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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第111章 幕間その陸:故郷へ(前編)


汐は茶をすすりながら、先ほどの話を考えていた。
不治の病の妹を持つ、天上の神。まるで炭治郎と禰豆子のようだ。

そして、ワダツミヒメは、まるで自分のようだった。

ただ一つだけ違うのは、ワダツミヒメは、自分の命を犠牲にして妹を救った。しかし、自分はまだ生きていて、禰豆子は不治の病ではない。

(そうだ。あたしは、皆の仇を討ちたいだけじゃなく、あの二人の幸せを守りたいんだ。ワダツミヒメは、自分の命を顧みずに二人を救った。だったらあたしも、命を懸けて守らないと)

「みっちゃん」

汐は真剣な目で、甘露寺を見据えた。

「行こう、鬼を倒しに。あたしや炭治郎達みたいな人達を、これ以上増やしちゃいけない。そのために、あたし達鬼殺隊がいるんだから、あたし達にできることをしなくちゃ」
「しおちゃん・・・」

汐が完全に吹っ切れたかどうかは、その時の甘露寺にはわからなかった。
だが、自分を真っ直ぐに見つめるその顔は、まごうことなき鬼狩りの顔であった。
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