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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第108章 幕間その陸:再開、そして勃発


木々に囲まれたけもの道を進むこと数分後、汐の目は、ようやく声の主の姿を捕らえた。

非情に体格のいい一人の少年が、念仏を唱えながら、自分よりも何倍も大きな岩を押し動かしていた。
その光景に、汐はその場に縫い付けられたように動けなくなった。

(す、すごい・・・!あんな大岩を、道具もなしでたった一人で・・・!)

少年はしばらく岩を動かした後、その手を岩から離して一息ついた。それを見た汐は、思わず後ずさったが、その際に足元にあった小枝を踏みつけてしまった。

「誰だ!?」

乾いた音と同時に、少年は反射的に振り返り、汐はその顔に見覚えがあった。

顔に大きな傷があり、特徴的な髪形をした少年は、最終選別の時に生き残った者たちの一人だった。

「あっ、お前は・・・!最終選別の時の・・・!」

汐の顔に少年も見覚えがあったらしく、彼は大きく目を見開いて凝視した。

「あんたは・・・、最終選別の時に、女の子ぶん殴って炭治郎に腕折られた馬鹿!」

汐が少年を指さしてそう叫んだ瞬間、彼の顔が瞬時に真っ赤になった。

「なんだとテメエ!!」

激昂した少年は、汐の前に歯を剥き出しながら詰め寄った。
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