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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第105章 変わりゆくもの<弐>


「しのぶ様!」

アオイはそのまましのぶと向き合うと、カナヲ同様に頭を下げながら言った。

「私からもお願いします。汐さんの手続きを、もう少しだけ待ってください。汐さんには、私が知らない沢山の事を教えてもらいました。私のいる意味を、彼女は教えてくれました。だから、その・・・。このまま汐さんが鬼殺隊として戦っていたことを、なかったことにしたくないんです!」

アオイの口からも、カナヲと同じ言葉が出てきたことに驚きつつも、汐がこのまま鬼殺隊を辞めることを望んでいないものが多いことに嬉しさを感じた。

「お願いします、師範!」
「お願いします、しのぶ様!」

カナヲとアオイが頭を下げる中、遠くからこちらに向かってくる足音が響き渡った。しかもそれは一人の者ではなかった。

「「「しのぶ様!!」」」

カナヲとアオイを押しのけるように、なほ、きよ、すみの顔が隙間から現れ、これにはしのぶは勿論、カナヲたちもたいそう驚いた。

「私達からもお願いします!汐さんの手続きを待ってください!」
「汐さんは今、頑張って記憶を取り戻そうとしています!」
「このまま汐さんの全てをなかったことにしないでください!」

三人娘たちも泣きながら必死で、汐の手続きを待つように訴えた。それを見たカナヲとアオイも、必死でしのぶに訴えた。

こうまでされてしまっては、流石に無下にするわけにはいかない。しのぶは目を伏せると、少し間をおいて口を開いた。

「わかりました。あと一週間だけ待ちましょう。ですが、それでも記憶が戻らない場合は、汐さんご本人ともきちんと話しをしてこれからのことを決定します。いいですね?」

しのぶの言葉に、カナヲたちは頷き、猶予をもらえたことを喜んだのだった。
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