• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第99章 役者は揃った<肆>


「伊之助ーーーッ!!!」

炭治郎の悲鳴が響き渡り、伊之助は真っ赤な鮮血を吹き出しながら力なく倒れ伏した。その隙に妓夫太郎は堕姫の頸を取り返し、身体の元へ戻っていった。

(なんでアイツがここに・・・、汐と宇髄さんは・・・!!)

炭治郎はすぐに下て戦っていたはずの汐と宇髄の方に顔を向けた。
そこには、全身から夥しい量の血を流してうつ伏せに倒れている宇髄と、同じく全身から血を流して蹲っている汐の姿があった。

その悲惨極まりない光景に、炭治郎の体が強張った。

「炭治郎、危ない!!」

固まってしまった炭治郎の耳に、善逸の鋭い声が突き刺さった。慌てて目を見開けば、眼前には堕姫の帯がすぐそこまで迫っていた。

(しまっ・・・)

そんな炭治郎を庇うように善逸が前に飛び出し、炭治郎はそのまま屋根の上から成す術もなく落下していった。

(ああ、ああ!!みんな、ごめん・・・。禰豆子・・・、汐・・・)

自分と一緒に落ちる瓦礫のかけらを最後に見て、炭治郎の意識は闇の中に溶けていった。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp