• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第87章 鬼潜む花街<肆>


その話を聞いて、炭治郎は思わず足を止めた。須磨の事にはあまり関係のないことの話のはずなのに、なぜか気になったのだ。

(そう言えば汐の育ての親の玄海さんは、確か遊郭に通い詰めていたって話を前に聞いたな。もしかしたらここにも来ていたんだろうか)

だとしたら汐も喜ぶんじゃないかと思ったが、確信のない話を聞かせて中途半端な期待をさせるのも忍びない。
そんなことを考えていたが、遊女の次の言葉で炭治郎は思わず表情をひきつらせた。

「だけど外では素行が悪かったみたいでね。武士の魂の刀を売ろうとしたり、仲間が怒鳴り込んできたりといろいろとあったみたいよ」
「そこまでして通っていたとは。まあ廓で働く女に取っちゃ、絶好の鴨だけれどね」

(・・・絶対に玄海さんだ・・・)

その言葉を聞き、炭治郎は心の中で海旦那が玄海の事であることを確信した。そしてそんな彼に振り回された鱗滝やかつての仲間。そして娘である汐に、少なからず同情するのだった。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp