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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第81章 幕間その伍:柱だヨ!全員集合?(後編)


そして次は、いよいよ汐にとって鬼門の不死川邸。

先程の伊黒とのやり取りですっかり気分を害した汐は、訪問を頑なに拒んだが、甘露寺に(物理的に)引きずられ、有無を言わさず連れてこられてしまった。

「こんにちは、不死川さん。甘露寺です」
甘露寺が声をかけると、一人の使用人が屋敷から進み出てきた。甘露寺が説明すると、不死川は鍛錬場にいるという。

逃げ出そうとする汐を捕まえてから、甘露寺は鍛錬場のある場所へ足を進めた。

そこではたくさんの巻き藁があり、いずれも真っ二つに斬られ地面に無造作に落ちている。その中心ではひたすらに刀を振るう不死川の姿があった。

「不死川さん、こんにちは。甘露寺です」

甘露寺がそんな彼に臆することなく声をかけると、不死川は何だといわんばかりに振り返った。だが、その眼が汐を捕らえた瞬間、彼の顔中に青筋が浮かんだ。
するとそれを見た汐の顔も、全ての皮が引っ張り上げられたように引き攣り、たちまち空気が張り詰めた。

「甘露寺ィ。なんでそのガキをここに連れてきやがった?」
柱合裁判でのことを思い出したのか、不死川は顔中を痙攣させながら汐を睨みつけ、汐も禰豆子や炭治郎を傷つけられた記憶がよみがえり、殺意のこもった眼で彼を睨みつけた。

そんな状況に気づいているのかいないのか、甘露寺は穏やかな表情で言い放った。

「私の継子の大海原汐ちゃんを不死川さんに紹介したくて来たんです。もう他の柱の皆さんにはご挨拶が住んでいますので、後は不死川さんだけなので」
「そうかァ。ならさっさと帰れ。そいつを見ていると虫唾が走る」

不死川はそれだけを言うと、二人に背を向け刀を振り上げた。汐は思わず吹き飛ばしたくなる衝動を感じたが、甘露寺の手前これ以上諍いを起こすわけにはいかない。

かといってこのまま黙って帰るにも腹立たしい。汐は唇をかみしめると、一歩彼の方へ踏み出した。
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