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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第80章 幕間その伍:柱だヨ!全員集合?(前編)


時透邸を出た後に向かったのは、悲鳴嶼邸。柱の中でも一番背が高く、屈強な体格をした悲鳴嶼行冥の構える屋敷だ。
門を潜れば悲鳴嶼自ら出迎えてくれ、甘露寺は嬉しそうにほほ笑んだ。

話を聞くに、彼はその屈強な体格に反して猫が好きであり、自らも飼育をしているらしい。同じく猫好きの甘露寺とは話が合い、時たま会ったりするそうだ。

「改めて名乗ろう。私は悲鳴嶼行冥、岩柱の役職についている。甘露寺の継子になったという話は聞いていたが、鍛錬は順調か?」

あの時とは異なり、悲鳴嶼の口調はとても柔らかく、警戒していた汐の心をほぐしていく。汐が答えると、彼は少しだけ困ったように笑った。

「私のことが怖いか?」
「え?」
「このような風体故怖がらせてしまうことは慣れているが、ましてや私は君を言葉だけとはいえ殺そうとした。恐怖を感じても仕方がないと思っている」

ほんの少しだけ悲し気に眉根を下げた悲鳴嶼に、汐は慌てて言葉を付け加えた。

「ああ、違う。違うのよ悲鳴嶼さん。あたしは何も怖がっているわけじゃなくて、その・・・」

汐はバツの悪そうな顔で目を逸らすと、消え入りそうな声でそっと言った。

「なんというか・・・その、悲鳴嶼さんの雰囲気が・・・おやっさん、あたしの父親に似てて。ああ違うの!悲鳴嶼さんはおやっさんみたいに不真面目なわけがないし、似ているわけじゃないんだけど・・・あれ、何言ってるんだろうあたし」

汐は最後は言葉が見つからず、顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。そんな彼女を見て甘露寺は頬を染め、悲鳴嶼は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で汐を見つめた。
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