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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第76章 誇り高き者へ<参>


一方汐は、眠ったままの煉獄の前に立ち尽くしながら呟くように言った。

「煉獄杏寿郎。貴方こそが人間の誇りだ。人間の魂だ。私は、私達は貴方のような人に会えたことを誇りに思う。決して貴方を忘れない」

汐は俯いたまま、固く目をつぶった。両目から涙が滝のようにあふれ出し、頬を伝い流れ落ちていった。

それをぬぐうこともせず、歯を喰い縛り、血が出る程拳を握りながら、汐は絞り出すように泣いた。

空は晴れ渡っているというのに、汐の心にはいつまでも雨が降り続いていたのだった。
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