• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第70章 狂気の目覚め<壱>


「うわああああああああああああ!!!」

突然目の前の炭治郎が悲鳴を上げながら体を起こす。その大声に禰豆子だけではなく汐もびっくりしてしまい、思わず炭治郎の頬をひっぱたいた。

「いきなり何すんのよ!びっくりするじゃない!」
「痛っ!って、痛みが・・・あれ?汐?」

炭治郎は汐の顔を見て驚いた顔をしたが、慌てて自分の頸を手で押さえた。その様子から、炭治郎も夢の中で自決したことが見て取れた。

「あんたも、気づいていたのね。この悪趣味極まりない覚醒方法」
「あんたもってことは、汐も・・・。俺たちやっぱり鬼の術にかかっていたんだな」

炭治郎はゆっくりと体を起こすと、汐同様自分の手に繋がれた縄を見た。そして彼も、縄から鬼の匂いがすることに気づく。

「汐、切符だ!切符を出すんだ!」
「え?切符?」
「いいから早く!」

炭治郎に言われるがまま、汐は懐から切符を取り出した。すると、縄と同じく微かだが鬼の気配がした。

「なるほど。これも鬼が作った代物で、切った時に眠らされたのね。これだけの気配で、こんな強い血鬼術・・・とんでもない奴だわ。色んな意味で」

汐は小さく舌打ちをすると、炭治郎と共に他の者を何とかして起こそうと体を起こした。

すると、煉獄たちの手にも同じように縄が繋がれ、その先は見知らぬ者達の手に繋がれていた。

「誰よこいつら。それよりこの縄が鬼の血鬼術で出来ていることはわかったわ。だったらこれをぶった切れば・・・」

汐はすぐさま刀を抜き、縄に向かって振り上げようとした。だが、炭治郎は何か不穏なものを感じ、慌てて汐を制止させた。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp