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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第69章 無限列車<肆>


『どうした?お前の望むとおりにしてやったのだ。覚悟があるなら扉に手をかけるといい』
「ふざけるな!それにこれじゃあ少ししか開かないじゃないか!」
『全ての鍵を開けるかは私が決める。お前がこの中を覗き、この中のものに耐えられたのなら、全ての鍵を解除しよう。それともお前はこの扉に何故鍵が必要なのか、考えられないのか?鍵とは何のためにかけられるのか、想像することもできない程、お前の覚悟とはその程度の物なのか?』

番人は少年を見据えながら、挑発的な言葉を投げつける。それが少年に突き刺さり、やがて怒りへと変わっていく。

「うるさい!やるよ!やってやりゃいいんだろう!?」

少年は怒りながら番人を押しのけ、鍵が外れた取っ手に手をかけた。硬く冷たい感触が少年の手を伝わり、体を震わせる。

(ここまで来て引き下がれるかよ。もう俺には何もない。失うものも。あれ以上の地獄も。俺にはない!!)

少年は小さく息をつくと、取っ手を思い切り引っ張った。重厚な音が響き、ゆっくりと開いていく。
だが、扉に巻き付いたままの太い鎖に阻まれ扉は少し開いたままで止まり、そこには中を覗けるほどの隙間が開いた状態になった。

少年はその隙間から中を覗き込んだ。その瞬間、彼は大きく目を見開いた。
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