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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第69章 無限列車<肆>


「探検隊!!探検隊!!俺たち洞窟探検隊!!」

薄暗い洞窟の中を、伊之助は大手を振りながら声高らかに歩く。その後ろには彼の仲間と思しき影が、列をなしてついていく。

「親分親分!!」
「どうした子分その一、その二」

伊之助が振り返ると、そこには炭治郎に似た狸の『ポン治郎』と、善逸に似た鼠の『チュウ逸』が駆け寄ってきて告げた。

「あっちから、この洞窟の主の匂いがしますポンポコ」
「寝息も聞こえてきますぜチュー」

その言葉に伊之助の心は燃え上がり、体の奥から闘争本能が沸き上がってくるのを感じた。

「よし行くぞ勝負だ!!ついて来い、子分その三、その四!!」

伊之助が拳を振り上げながら叫ぶように言うと、禰豆子に似た兎はその場に座り込み、汐に似た狸は何故かポン治郎につかみかかりぽかぽかと頭を叩いている。

「オイ子分その一、その四!!喧嘩すんじゃねえよ!子分三もそんなところに座るな!こっち来い、ホラ!!ツヤツヤのドングリやるからホラ!!」

伊之助がドングリを二人に渡すと、兎禰豆子と狸汐はドングリを受け取ると嬉しそうに笑った。
さていざ洞窟の奥に進もうとしたその時だった。

――ねんねんころり、ねんころり。ころりとおちるはなんのおと――

洞窟の奥から、透き通るような歌声が聞こえてくる。それを聴いた伊之助はびくりと体を震わせ警戒心をあらわにした。
しかし伊之助は、その声をどこかで聞いたことがあるような気がした。しかし、その歌はもう聞こえなくなり、伊之助は気のせいだと思い洞窟の奥に足を進めるのだった。
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