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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第67章 無限列車<弐>


「すげぇや兄貴!見事な剣術だぜ!おいらを弟子にしてくだせぇ!!」

そんな煉獄に、炭治郎は大粒の涙を流しながら感激の声を上げる。

「いいとも!!立派な剣士にしてやろう」

煉獄は嬉しそうな顔で炭治郎に言い、そんな彼らに善逸、伊之助、汐も同じく声を上げる。

「おいらも!」
「おいどんも!」
「あたいも!」

皆は感動の舞のようなものを踊りながら、ひたすら煉獄をたたえ、そんな彼らを煉獄は心からうれしそうに言った。

「うむ!みんなまとめて面倒みてやる!」
「煉獄の兄貴ィ!」
「兄貴ィ!!」

煉獄をたたえる声はとどまることを知らず、それに答えるように、彼の高らかな笑い声が列車中に響き渡った。

――列車は走る。ただひたすらに、多くの乗客を乗せたまま、目的地すらわからずに進む。

煉獄と炭治郎は肩を寄せ合い、善逸は伊之助に踏みつけられるように、汐は窓に寄りかかるようにして寝息を立てている。

夢か現(うつつ)か、わからぬまま。

そんな彼らを嘲笑うかのように、全島車両に立つ不気味な影は、口元に歪んだ笑みを浮かべた。

「夢を見ながら死ねるなんて、幸せだよね」

そう口にする彼の目には、“下壱”と刻まれていた。
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