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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第67章 無限列車<弐>


その後、乗務員たちが煉獄の食べた大量の弁当箱を片付けている中。
汐は煉獄と向かい合い、炭治郎は煉獄の隣に、善逸と伊之助は通路を挟んだ向かいの席に座った。

炭治郎は煉獄に、自分が累との戦いの際に使ったヒノカミ神楽について話し、何か知っていることはあるか尋ねた。

「うむ!そう言うことか!」

煉獄は炭治郎の話を一通り聞いた後、大きくうなずき、炭治郎は何か心当たりがあるのかと目を輝かせた。

「だが知らん!『ヒノカミ神楽』と言う言葉も 初耳だ!君の父がやっていた神楽が戦いに応用出来たのは実にめでたいが、この話はこれで お終いだな!!」

勝手に話を終わらせたことに炭治郎は驚き、慌てて口をはさんだ。

「えっ!?ちょっともう少し・・・」
「俺の継子になるといい。面倒を見てやろう」
「待ってください。そしてどこ見てるんですか」
「炎の呼吸は歴史が古い!」

全くかみ合っていない会話に汐は呆れ、善逸は(変な人だな)と心の中でつぶやき、伊之助は流れていく外の景色に夢中になっていた。

「炎と水の剣士は、どの時代でも必ず柱に入っていた。炎、水、風、岩、雷が基本の呼吸だ。他の呼吸は、それらから枝分かれしてできたもの。霞は風から派生している」

それから煉獄は炭治郎に刀の色を尋ね、炭治郎が黒であると答えると、煉獄は腕を組みながら「きついな!」と言った。

「きついんですかね」

「黒刀の剣士が柱になったのを見たことがない!更には、どの系統を極めればいいのかも分からないと聞く!ならば俺の所で鍛えてあげよう。もう安心だ!」

機関銃のようにまくしたてる煉獄に、炭治郎は戸惑いながらも(面倒見がいい人だな)と思った。が、その時ふと。刀の話を聞いて思いついたことがあった。

(汐の刀は角度を変えると色が変わる不思議なものだったな。黒が出世できない、系統が分からないなら彼女はいったい何なんだろう)

「なあ、汐。お前のかた・・・な・・・」

炭治郎は前に座る汐に声をかけたが、その声が急速にしぼんでいく。
それもそのはず。目の前に座る汐は、真っ青な顔でぐったりと背もたれに身体を預けていた。
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